ゴムの代替品として使用可能なエラストマー樹脂
概要
ゴムの代替品として使用可能なエラストマー樹脂
エラストマー樹脂とは
エラストマー樹脂とは樹脂でありながらゴムと同様な弾性をもつ特性のある樹脂です。汎用プラスチックと同等の容易さで成形が可能な高分子素材です。また、常温時にはゴムと同様な弾性をもち、高温で加熱することで柔らかくなる熱可塑性樹脂です。最近ではゴムの代替材料として注目を集めています。
エラストマー樹脂の性質
エラストマー樹脂はプラスチックとゴムの中間的な性質をもちます。ここではエラストマー樹脂の5つの特徴を解説していきます。
①高温で加熱すると軟化する
エラストマー樹脂は加熱した際に柔らかくなる熱可塑性樹脂です。
②比重が低い
ゴムと比較した際に重量が軽く、比重が低いです。
・エラストマー 比重1.0前後(当社比)
・ゴム 比重1.25~1.5(当社比)
③成形が容易である
加熱した際に柔らかくなる熱可塑性樹脂であるため、成形形状が幅広い特徴があります。
④リサイクルが可能である
熱可塑性樹脂のため、加熱することにより柔らかくできるため、再成形が可能です。
⑤コストが安い
ゴムと比較した場合コストが安くなります。
ゴムの性質
①熱硬化性がある
ゴムは加熱した際に熱により硬化するという性質をもちます。高温時でも変形しにくい特徴があります。
②比重が高い
エラストマー樹脂と比較すると重量があり、比重も高いです。
・エラストマー 比重1.0前後(当社比)
・ゴム 比重1.25~1.5(当社比)
③リサイクルができない
ゴムは粉砕リサイクルでの再利用ができません。
エラストマー樹脂のメリット
エラストマー樹脂はゴムに変わる素材として注目を集めています。ここではゴムと比較したエラストマー樹脂のメリットを3つ紹介します。
①成形の自由度が高く、多くの分野の加工物に使用できる
エラストマー樹脂は熱可塑性樹脂で様々な形状での製品成形が可能です。ゴムは熱硬化性の性質をもち、エラストマー樹脂よりも成形の自由度が広くありません。また、エラストマー樹脂は電子機器、医療機器から食器向けの容器まで様々な分野の製品に使用されています。
②エラストマー樹脂をゴムの代替材料に使用することでのコストダウンの実現
エラストマー樹脂を使用し、コストダウンが実現できる理由は2つあります。
1.ゴムよりも安価に成形できる
ゴムと比較し、エラストマー樹脂は安価なためコストダウンができます。
⑴エラストマー樹脂はゴムに比べて加硫槽等の設備投資が少ない
⑵エラストマー樹脂はゴムに比べて成形速度が速い
⑶エラストマー樹脂はゴムに比べて比重が軽い
(エラストマー 比重1.0前後(当社比)、ゴム 比重1.25~1.5(当社比))
2.製造工程が少ない
架橋が不要等、生産工程が少なくなり、生産性の向上、エネルギー消費の抑制等、実現できます。
③リサイクルが可能で環境に良い素材
多くのエラストマー樹脂の素材はリサイクルが可能です。塩素などを含んでいないため、
加工の際、有害なダイオキシンを排出しません。エラストマー樹脂は環境に良い再生可能なエコ素材です。
その他・情報:三協化成の加飾技術と品質確保
■様々な種類の材料を使用することで硬質三色成形の単色からメタリック調、木目調など幅広い色調の製品を形成できます。
■ラミネート貼り付けによる外観加飾が可能です。
■センサーカメラとモニターを使用したインラインでの品質確保が可能です。
その他・情報:三協化成では デザインを形にします
■「樹脂化設計」に我々の知見でお応えします。「樹脂化設計・金型設計」のみ、から「量産」までの全てのステージでお応えします。